「権利義務の譲渡禁止」というのは、契約上の地位や権利義務を第三者に譲渡するのを禁止することを言います。契約相手方が突然変わってしまったのでは契約履行に支障をきたしますし、その契約が悪い人に譲渡されてしまうと予期しないリスクが発生してしまいます。
そのため「契約上の地位や権利義務の第三者への譲渡」を基本的に禁止しておき、特別な事情(たとえば事業譲渡)による場合など譲渡しないと契約履行ができないこともありますので、事前に契約相手方から書面での同意を得ることを条件として譲渡可能とするのが一般的です。そして、合理的な理由が無く拒否できないという条件を付ける場合があります。
なお、法人の場合は「合併」、個人の場合は「相続」のように、法的に権利義務が承継されるケースがあります。これらは「譲渡」ではありませんので普通は上記制限は受けないのですが、国際契約ではこの様な場合であっても相手方の事前同意が必要としているものがありますので注意が必要です。