著作権については「[16] 知的財産権」で簡単に解説しましたが、今回は著作者人格権と絡めて説明したいと思います。著作権法第17条には以下のように規定されています。
「次条(第十八条)第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利」が「著作者人格権」ということですが、それぞれ以下の権利が規定されています。
第十八条第一項 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。
→「公表権」と呼ばれます。
第十九条第一項 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
→「氏名表示権」と呼ばれます。
第二十条第一項 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
→「同一性保持権」と呼ばれます。
また「第二十一条から第二十八条までに規定する権利」が「著作権」で、条文は省略しますが以下のように様々な権利があります。
ここで第61条2項に注意する必要があります。著作権を譲渡する場合や譲渡を受ける場合は、第27条、第28条の権利を含める旨を明記しないとこれらの権利(翻訳権、翻案権等、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)が譲渡対象から外れてしまうリスクが生じます。