[49] 契約変更時のひと手間

契約締結後に契約条件の一部を変更する場合、変更内容を明記した変更契約書や変更覚書を締結します。そして契約履行時には、原契約と変更契約を併せて読み、その時に有効な条件を正確に認識する必要があります。

しかし、変更が複数回に渡る場合は、それらの作業はとても時間がかかり面倒なものです。また古い条件に従って契約を履行してしまうおそれもあります。同じ案件を同じ人が継続して対応するのであれば、ある程度そのリスクは低減できるのでしょうが、人が替わると一から条件の確認作業が必要になります。

そこで、契約変更の場合は、原契約のWordファイルに修正履歴付で修正をし、それを自社内の参考用として保存しておくことをお勧めします。変更契約を締結する都度、原契約Wordファイルの修正履歴のユーザ名を「第1回変更(xx年x月x日付)」「第2回変更(xx年x月x日付)」・・・のように変えていけば、あとで誰が見ても最新の条件をすぐに認識できますし、過去の変更経緯も一目瞭然です。

さらに契約変更時の作業効率化を考えると、上述の方法とは逆に、まずは原契約Wordファイルに修正をして、その修正部分を取り出す形で変更契約にするという手もあるかと思います。「修正部分を取り出す形で変更契約にする」のは機械的作業になりますので、そこは何かプログラムを組んで自動化ができるかも知れません。

また、過去に締結した契約でWordファイルではなくpdfファイルしか残っていない場合であっても、最近のWordはpdfファイルを読めますので一旦Wordファイルに変換すれば良いと思います。pdfに文字コードが組み込まれていれば確実に読み込むことができますが、文字であっても画像データの場合はある程度Wordで文字変換ができるものの、どうしても変換できない箇所は画像データとしてWordに貼り付けられます。文字変換できた場合も、一部の文字が違っていたりしますので、手修正が必要となります。

このように契約変更時にひと手間かけることで、契約履行時のリスク低減や、その後の契約変更の効率化を図ることができますので、是非試してみていただければと思います。

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