締結済みの契約書が溜まってくると、原本や電子ファイルをどのように保管・管理すれば良いか悩みます。
特に大きな組織を持つ歴史のある企業や団体の場合は、組織変更やフロア変更、管理システムの改定もあるでしょうから、中々統一的なルールに基づいて台帳管理したり、原本や電子ファイルを保管したりするのは難しそうです。電子ファイルは共用ストレージで保管できても、原本となると当時の契約担当者の机の引き出しに入れっぱなしになっていたり、紛失してしまったりと、色々と苦労されていると思います。
なお、契約書の保管期間は、雇用関係、会計・税務関係、会社法関係でそれぞれの法令によって個別に定められており、最長のもので契約終了後10年です。そのため、各企業・団体では通常、それに準じた規程を設けていると思われます。また、相手方との間で契約不履行等により裁判沙汰になった場合、その契約が書面で締結されているとすると、証拠として認められるのは原本です。それをPDFに落としたものやコピーしたものは、それが偽造されたものでないことを証明できない限り、原則として証拠にはなりません。
そのため、今後は書面締結ではなく、なるべく電磁的方法(電子署名)を使って契約を締結するのが良いと思う次第です。