海外との国際契約では、契約の「準拠法」が問題になります。
準拠法(Governing Law)とは、その契約が準拠したり契約の条件解釈に使われる法で、どの国(又は州)の法をその契約の準拠法とするかは、契約当事者間で合意し契約書に明示されます。
ただ、この部分で結構もめることがあります。
たとえば、香港企業との契約交渉において、こちらは「日本法(the laws of Japan)」を希望したのに、相手方は「香港法(the laws of the Hong Kong Special Administrative Region)」を希望するというケースがありました。この場合は、公平の観点から第三国法として「シンガポール法」を提案しました。
他に割と良く使われる第三国法には「ニューヨーク州法」「英国法」などがありますが、シンガポール法は、それらと同じように裁判例が豊富に調っていますし、アジア企業同士の契約では、同じアジアのシンガポール法は受け入れられ易いと思います。
なお、アメリカの場合はそれぞれの州が一つの国のようになっていますので、準拠法として「ニューヨーク州法」や「カリフォルニア州法」などの州法が使われます。ちなみにカリフォルニア企業との契約の準拠法には、第三国法(?)としてニューヨーク州法を提案することもありました。