業務委託契約書をレビューしていると、「本業務の履行」「本業務の遂行」のどちらを使えば良いか迷うことがあります。ここで「本業務」というのは、委託対象となる業務のことを指しているとします。
広辞苑から引用すると、
(履行)
- 実際に行うこと。言葉どおりに実行すること。
- 〔法〕債務者が債権の目的(内容)たる給付を実行すること。弁済と同義であるが、履行は債権の効力の面からいうのに対し、弁済は債権の消滅の面からいう。
(遂行)
- なしとげること。しとおすこと。「任務を―する」
ですので、「契約の履行」や「債務の履行」はしっくりきます。他方「業務」の場合は「遂行」が適当ではないかと感じます。
ただ、遂行は最後までやり遂げるという意味がありますので、私が契約書を準備するときは、少しずるいですが、自分が受託側の場合は「本業務の履行」、自分が委託側の場合は「本業務の遂行」とします。
もちろん、お客様が準備した契約書ドラフトはその点は修正しませんが、たまに一つの契約書の中で「本業務の履行」「本業務の遂行」が混在していることがありますので、そこは、統一するように心掛けています。