[43] 危険な「notwithstanding」

和文契約で、その前に規定されている条件と異なる条件を定める場合には、「ただし、~の場合は~とする。」というように「ただし」という言葉を使います。

英文契約では「ただし」に相当する言葉として「provided, however, that」という表現を使う場合があります。

  • ABC shall make a payment; provided, however, that… (ABCは支払う。ただし、…するものとする。)

ちなみに、howeverが付かない場合は、

  • ABC shall make a payment, provided that… ( ABCは…を条件として支払う。)

となり、少しニュアンスが違ってきます。

これと同じような言葉に「notwithstanding」というのがあります。

  • Notwithstanding the foregoing,  (上記にかかわらず、)
  • Notwithstanding Section 2,  (第2項にかかわらず、)

このようにNotwithstandingの後を色々変えることによって、否定すべき条項や条件の範囲を変えることができます。

たとえば

  • Notwithstanding anything in this Agreement to the contrary,  (本契約にこれと異なる規定があったとしても、)

は、本契約にこれと関連する他の条件が規定されている場合に、それらを否定してこの部分のみを有効にするもので、これを落とし穴として悪用されるケースもあります。

そのため「notwithstanding」という言葉が出てきたら、どの範囲を否定しているのかを注意深く見る必要があります。

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