[4] 「契約」とは

そもそも「契約」とは何でしょうか?「契約」とは、複数の当事者間で交わされる、法的効力のある約束のことです。

民法第522条には、次のように定められています。

第522条

  1. 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
  2. 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方法を具備することを要しない。

すなわち、契約は相手方への「申込み」と、それに対する相手方からの「承諾」があれば成立します。原則として「書面」や「電磁的方法」(電子署名など)によらなくても契約が成立することになります。

なお、「法令に特別の定めがある場合を除き」ということですから、法令に特別の定めがある場合は、書面等での締結が必要です。たとえば「保証契約」がその代表的なもので、このように契約の成立に一定の形式が必要とされる契約を「要式契約」、それ以外の契約を「不要式契約」と呼びます。

ただ、不要式契約であっても、普通は「契約書」などの書面等を取り交わします。これは、契約の履行のための備忘録的な目的のほかに、後々、当事者間で争いになった場合に契約書が重要な証拠となるためです。契約書が無いと「言った、言わない」など両者の言い分が平行線になり、裁判所でも判断が難しくなります。

私たちは、普段の生活の中でもいろいろなところで「契約」をしています。たとえばコンビニやスーパーで買い物をする際、レジの店員に商品を出せば「これを買います。」という黙示的な意思表示(申込み)になりますし、お店がそれを拒絶せずにレジに通せば「売ります。」という意思表示(承諾)となります。

その場合、契約としては「売買契約」を締結したことになり、お客様が代金を支払ってお店がそれを受領してお客様が商品を受け取れば、それでこの売買契約の履行が完了します。

ここで「契約の履行」というのは、契約で定められた各当事者の義務や責任を果たしたり、権利を行使することです。

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